岡田文相の答辯
(五の19)
かうした激しい輿論の反對を受けると共に、帝国議會においても問題となり、 * 是デ國民が萬々差支ヘナイ、是ハ至極結構デアルト云フコトニナツテ、國民が皆其新シイ方法ヲ實行スルヤウニナツテ行キマシタナラバ、文部省トシテハ其時初メテ之ヲ教科書等ニ採用スルコトヲ考ヘルベキ時機デアラウト思ヒマス 今中々其處マデニハ達シテ居ラヌヤウナ譯デアリマス、 と述べてゐる。かくして假名遣改定案は單に「案」として止まり、それを實際に實行したのは、幹事である保科孝一ただ一人といふやうな有様であつた。 |