元文庁第1062号
令和元年10月25日

國語問題協議會 御中

文部科学省大臣官房長   
柳   孝
文化庁次長        
今里  讓

公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について(通知)

 標記については,令和元年10月25日の公用文等における日本人の姓名のローマ字表記に関する関係府省庁連絡会議において,別添のとおり申合せを行いましたので,参考までにお知らせします。

 日本人の姓名のローマ字表記については,国語審議会答申「国際社会に対応する日本語の在り方」(平成12年12月8日)により,「姓―名」の順とすることが望ましいとされているところですが,今般の申合せにより,各府省庁が作成する公用文等において,日本人の姓名をローマ字表記する際は,原則として「姓―名」の順で表記することとしたものです。

【連絡先】
文化庁国語課日本語教育企画係
(以下略)

公用文等における日本人の姓名のローマ字表記について

(令和元年10月25日関係府省庁申合せ)

 グローバル社会の進展に伴い,人類の持つ言語や文化の多様性を人類全体が意識し,生かしていくことがますます重要となっており,このような観点から,日本人の姓名のローマ字表記については,「姓―名」という日本の伝統に即した表記としていくことが大切である。

 したがって,今後,各府省庁が作成する公用文等において,日本人の姓名をローマ字表記する際は,原則として「姓―名」の順で表記することとし,下記のとおり取り扱うこととする。

 なお, 本件の対応に当たりシステムの改修を要するなど,特別の事情がある場合は、当分の間これによらなくてもよい。

1 各府省庁が作成する公用文等における日本人の姓名のローマ字表記については,差し支えのない限り「姓―名」の順を用いることとする。

2 各府省庁が作成する公用文等のうち,次のものを対象とする。なお,国際機関等により指定された様式があるなど,特段の慣行がある場合は,これによらなくてもよい。
(1)各行政機関が保有する外国語(英語等)のウェブサイト,ソーシャルメディア
(2)外国語(英語等)で発信する文書(二国間・多数国間の共同声明等,白書,基本計画,戦略,答申)
(3)我が国及び各行政機関が主催する会議(公開)における名簿,ネームプレート等
(4)外国語(英語等)の文書(書簡,国際機関・相手国などに対し我が方立場を説明する資料,その他の原議書による決裁を要する文書)
(5)外国語(英語等)による行政資料等
(6)我が方大使の信任状・解任状の英仏語訳
(7)交換公文等の署名欄,国際約束の署名権限委任状の英仏語訳

3 各府省庁が作成する公用文等において日本人の姓名をローマ字表記する際に,姓と名を明確に区別させる必要がある場合には,姓を全て大文字とし(YAMADA Haruo),「姓―名」の構造を示すこととする。

4 地方公共団体,関係機関等,民間に対しては,日本人の姓名のローマ字表記については, 差し支えのない限り「姓―名」の順を用いるよう、配慮を要請するものとする。

5 上記の内容は,令和2年1月1日から実施するものとする。ただし,各府省庁において対応可能なものについては,実施日前から実施することができる。

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