「資󠄁料集」に戾る

内閣告示 前文

当用漢字表・常用漢字表

当用漢字表

常用漢字表

◎內閣訓令第七号

各官廳

当用漢字表の実施に関する件

 從來、わが國において用いられる漢字は、その数がはなはだ多く、その用いかたも複雜であるために、敎育上または社会生活上、多くの不便があつた。これを制限することは、國民の生活能率󠄁をあげ、文化水準を高める上に、資󠄁するところが少くない。

 それ故に、政府は、今回國語審議会の決定した当用漢字表を採󠄁択して、本日內閣吿示第三十二号をもつて、これを吿示した。今後各官廳においては、この表によつて漢字を使用するとともに、廣く各方面にこの使用を勧めて、当用漢字表制定の趣旨の徹底するように努めることを希望󠄂する。

 昭和二十一年十一月十六日

內閣総理大臣 𠮷田 茂

内閣訓令第1号

各行政機関

  「常用漢字表」の実施について

 政府は,本日,内閣告示第1号をもつて、「常用漢字表」を告示した。

 今後,各行政機関においては,この表を現代の国語を書き表すための漢字使用の目安とするものとする。

 なお、昭和21年内閣訓令第7号,昭和23年内閣訓令第1号,昭和24年内閣訓令第1号,昭和26年内閣訓令第1号,昭和48年内閣訓令第1号及び昭和51年内閣訓令第1号は廃止する。

  昭和5610月1日

内閣総理大臣 鈴木 善幸

◎內閣吿示第三十二号

 現代國語を書きあらわすために、日常使用する漢字の範囲を、次󠄁の表のように定める。

 昭和二十一年十一月十六日

內閣総理大臣 𠮷田 茂

内閣告示第一号

 一般の社会生活において現代の国語を書き表すための漢字使用の目安を、次の表のように定める。

 なお、昭和二十一年内閣告示第三十二号、昭和二十三年内閣告示第一号、昭和二十四年内閣告示第一号、昭和二十六年内閣告示第一号、昭和四十八年内閣告示第一号及び昭和五十一年内閣告示第一号は、廃止する。

昭和五十六年十月一日

内閣総理大臣 鈴木 善幸

当用漢字表

まえがき

一、この表は、法令・公用文書・新聞・雜誌および一般社会で、使用する漢字の範囲を示したものである。

一、この表は、今日の國民生活の上で、漢字の制限があまり無理がなく行われることをめやすとして選󠄁んだものである。

一、固有名詞については、法規上その他に関係するところが大きいので、別に考えることとした。

一、簡易字体については、現在慣用されているものの中から採󠄁用し、これを本体として、参考のため原字をその下に揭げた。

一、字体と音󠄁訓との整理については、調󠄁査中である。

使用上の注󠄁意事項

イ、この表の漢字で書きあらわせないことばは、別のことばにかえるか、または、かな書きにする。

ロ、代名詞・副詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞は、なるべくかな書きにする。

ハ、外國(中華民國を除く)の地名・人名は、かな書きにする。

  ただし、「米國」「英米」等の用例は、從來の慣習󠄁に從つてもさしつかえない。

ニ、外來語は、かな書きにする。

ホ、動植物の名称は、かな書きにする。

へ、あて字は、かな書きにする。

卜、ふりがなは、原則として使わない。

チ、專門用語については、この表を基準として、整理することが望󠄂ましい。

常用漢字表

前書き

1 この表は、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものである。

2 この表は、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。

3 この表は、固有名詞を対象とするものではない。

4 この表は、過去の著作や文書における漢字使用を否定するものではない。

5 この表の運用に当たっては、個々の事情に応じて適切な考慮を加える余地のあるものである。

表の見方及び使い方

1 この表は、「本表」及び「付表」から成る。

2 「本表」には、字種一九四五字を掲げ、字体、音訓、語例等を併せ示した。

3 漢字欄には、字種と字体を示した。字種は字音によって五十音順に並べた。同音の場合はおおむね字画の少ないものを先にした。字音を取り上げていないものは字訓によった。

4 字体は文字の骨組みであるが、便宜上、明朝体活字のうちの一種を例に用いて現代の通用字体を示した(「(付)字体についての解説」参照)。

5 括弧に入れて添えたものは、いわゆる康煕字典体の活字である。これは明治以来行われてきた活字の字体とのつながりを示すために添えたものであるが、著しい差異のないものは省いた。

6 音訓欄には、音訓を示した。字音は片仮名で、字訓は平仮名で示した。一字下げで示した音訓は、特別なもの又は用法のごく狭いものである。

7 派生の関係にあって同じ漢字を使用する習慣のある次のような類は、適宜、音訓欄又は例欄に主なものを示した。

現代かなづかい・現代仮名遣い

現代かなづかい

現代仮名遣い

◎內閣訓令第八号

各官廳

「現代かなづかい」の実施に関する件

 國語を書きあらわす上に、從來のかなづかいは、はなはだ複雜であつて、使用上の困難が大きい。これを現代語音にもとづいて整理することは、敎育上の負担を軽くするばかりでなく、國民の生活能力をあげ、文化水準を高める上に、資󠄁するところが大きい。それ故に、政府は、今回國語審議会の決定した現代かなづかいを採󠄁択して、本日內閣吿示第三十三号をもつて、これを吿示した。今後各官廳においては、このかなづかいを使用するとともに、廣く各方面にこの使用を勧めて、現代かなづかい制定の趣旨の徹底するように努めることを希望󠄂する。

 昭和二十一年十一月十六日

內閣総理大臣 𠮷田 茂

内閣訓令第1号

各行政機関

 「現代仮名遣い」の実施について

 政府は,本日,内閣告示第1号をもつて,「現代仮名遣い」を告示した。

 今後,各行政機関においては,これを現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころとするものとする。

 なお,昭和21年内閣訓令第8号は廃止する。

   昭和61年7月1日

内閣総理大臣 中曽根 康弘

◎內閣吿示第三十三号

 現代國語の口語文を書きあらわすかなづかいを、次のように定める。

 昭和二十一年十一月十六日

內閣総理大臣 𠮷田 茂

内閣告示第一号

 一般の社会生活において現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころを、次のように定める。

 なお、昭和二十一年内閣告示第三十三号は、廃止する。

  昭和六十一年七月一日

内閣総理大臣 中曽根 康弘

まえがき

一、このかなづかいは、大体、現代語音󠄁にもとづいて、現代語をかなで書きあらわす場合の準則を示したものである。

一、このかなづかいは、主󠄁として現代文のうち、口語体のものに適用する。

一、原文のかなづかいによる必要󠄁のあるもの、またはこれを変更しがたいものは除く。

前書き

1 この仮名遣いは、語を現代語の音韻に従って書き表すことを原則とし、一方、表記の慣習を尊重して一定の特例を設けるものである。

2 この仮名遣いは、法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころを示すものである。

3 この仮名遣いは、科学、技術、芸術その他の各種専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない。

4 この仮名遣いは、主として現代文のうち口語体のものに適用する。原文の仮名遣いによる必要のあるもの、固有名詞などでこれによりがたいものは除く。

5 この仮名遣いは、擬声・擬態的描写や嘆声、特殊な方言音、外来語・外来音などの書き表し方を対象とするものではない。

6 この仮名遣いは、「ホオ・ホホ(頬ご「テキカク・テッカク(的確)」のような発音にゆれのある語について、その発音をどちらかに決めようとするものではない。

7 この仮名遣いは、点字、ローマ字などを用いて国語を書き表す場合のきまりとは必ずしも対応するものではない。

8 歴史的仮名遣いは、明治以降、「現代かなつかい」(昭和二一年内閣告示第三三号)の行われる以前には、社会一般の基準として行われていたものであり、今日においても、歴史的仮名遣いで書かれた文献などを読む機会は多い。歴史的仮名遣いが、我が国の歴史や文化に深いかかわりをもつものとして、尊重されるべきことは言うまでもない。また、この仮名遣いにも歴史的仮名遣いを受け継いでいるところがあり、この仮名遣いの理解を深める上で、歴史的仮名遣いを知ることは有用である。付表において、この仮名遣いと歴史的仮名遣いとの対照を示すのはそのためである。

「資󠄁料集」に戾る