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九-十一 デープ・スペクターの『僕はこうして日本語を覺えた』

 平󠄁成󠄁十年十月󠄁、デーブ・スペクターの『僕はこうして日本語を覺えた』が出版された。日本語が趣味だと言ふデーブ・スペクターは「今でも每日、二、三語、新しい言葉に出會うと、それをノートに控えて、暇があると見直して覺えている。これは初めて日本語というもの、いや日本という國にふれた子ども時代から變わっていない。面白そうだから始めて、そして面白くなって、今もその面白さが續いている」「漫畫の吹き出しにある漢字にはルビがふってあるから、それで漢字の讀み方もずいぶん覺えられたんですよ」「映畫は絕好のテキストだったから、同じ映畫を何度でも繰り返󠄁し見た。二度目、三度目になると、字幕を見ないで、じっくりセリフを聞いて見ていた」と、日本語の學習󠄁方法について語り、漢字と言葉について、

*僕にとって漢字は、言葉を覺える壁ではなく一番いいツール。たとえば、魚偏󠄁の漢字は、繪で覺えるからうまく頭にインプットできる。漢字を覺えるのはパズルみたいで實に樂しい。

*普通󠄁の日本語ならまだ理解しやすいけど、カタカナ言葉、流行語、短くなつた言葉、英語以外の外來語、和製英語はわからないものが多い。

*最近󠄁、聞いていて、とてもいやなのが語尾を上げること。

*みんな言葉に對して、無頓󠄁着だね。

*ほとんどの日本人は日本語ほど難しい言葉はない、と思ってるだろうけど、實は日本語は外國人にとってはやさしい言葉。

と書いてゐる。


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