「國語問題のために--國語問題白書--」
時枝誠記著
≪推薦圖書≫
本書は、本會の研究調査小委員會の討議を承け、委員長時枝誠記が執筆したものである。われわれが國語問題を考へ解決して行かうとするとき、據るべき基本的な立場を理論的に闡明したものであつて、本會の基本文獻である。福田恆存は『國語問題論爭史』において、「今後國語問題を處理し國語政策を立案する上に極めて有力な基礎理論となるべきものである」と述べてゐる。
目次は次の通り。
序 本書作成の目的とその内容
第一部 明治以來の國語政策を支へて來た近代言語學の理論
一 國語問題とは何か、國語政策とは何か
二 明治以來の國語政策と近代言語學の理論
三 國語問題における問題の取上げ方と見落された問題
四 國語政策が國語教育に要求したもの
五 戰後の國語政策
第二部 國語政策の立案に必要な廣い視野
一 言語過程説の體系
二 國語問題の所在
五 言語と感情
九 言語改革の限界と改革の段階
十一 國語審議會のありかた
結び 國語問題に對して今後どうすればよいか
(東京大學出版會 昭和三十七年四月)