「日本の言葉」
山本健吉著
≪推薦圖書≫
折に觸れて發表した言葉についての随想的な文章及び國語問題に關する批評がまとめられたものである。
著者は「あとがき」で次のやうに述べてゐる。
「この書物をまとめるについて、私は自分の表記の不統一に、ほとほと嫌氣がさした。新聞社、雑誌社の校正係によつて、それは無惨に改竄されてゐるのである。(略)その混亂の根源が、役人と國語運動屋の國語いぢりにあつたことだけは確かなことだ。私は校王刷りを見ながら、最初『国語審議会』が「国語害議会」となつてゐるのを見て、よほどこのままにして置かうかと思つたくらゐである。」
(河出書房新社 昭和三十七年四月)